5月17日
東京都庁(がれき処理について)
東京都の先進的な取り組みを職員の方から聞きました。
20年分のごみ
東日本大震災では、岩手、宮城、福島の東北3県で約2300万トンのがれきが発生。3県の被災市町村が通常出す一般廃棄物の約20年分に相当します。 2014年3月末までの処理完了をめざす岩手県では、県全体のがれき約435万トンのうち約13%に当たる57万トンが県の処理能力を超えると試算してい
る。環境省は岩手、宮城両県のがれきについて全国に広域処理の協力を求めているが、放射性物質への懸念から、当初の受け入れ方針を撤回する自治体が続出。
東京都は昨年9月30日に岩手県と協定を締結、来年3月末までに宮古市のがれき1万1000トンを受け入れると表明した。都環境局によると、協定締結後、 都民から2000件を超える電話やメールの問い合わせが殺到。その9割は「放射能に汚染されたごみを受け入れるな」「子どもへの影響が心配だ」など、都の
受け入れに抗議する内容だったという。宮古市のがれきについては、同市が9月14日にその焼却灰を測定したところ、放射性セシウムは1キロ当たり133ベ クレルで、埋め立て可能な国の基準(1キロ当たり8000ベクレル)を大幅に下回っている。しかし、都は、都民の懸念を受け、国のガイドラインとは別に、
独自の「放射能管理マニュアル」を策定。廃棄物の放射線量(遮蔽線量)が、毎時0.01マイクロシーベルト超なら市から搬出しないという厳格な安全基準を 定め、より厳しく測定することを確認した。2日、宮古港の藤原ふ頭で、このマニュアルに沿って行われた放射線量の測定は、がれきの粗選別場の4地点で空気
中の放射線量を測った後、がれきから取り出したサンプルの測定、がれきを積み込んだ後のコンテナ側面の測定と、3回繰り返され、線量はいずれも基準値を大 幅に下回った。
当事者意識で都は都環境整備公社の職員を宮古市に常駐させ、日曜日を除く毎日、がれきの放射線量の測定を実施し、コン テナの搬出作業を続ける。岩手県資源循環推進課の松本実課長は、都の取り組みについて、「国からの支援を当てにせず、さまざまな対策を取っていただいてい
る。被災地のがれき処理を自らの問題と捉え、当事者意識を持って取り組まれており、本当に頭が下がる思い」と話している。被災地の復興のカギとなるがれき 処理。その膨大な量を地元自治体だけで処理することが到底不可能な中、実効性ある解決策は、広域処理の手法以外に見当たらない。「東北復興はオールジャパ
ンで」。震災直後のあの誓いの具体化がいま、求められている。東京着3日午前8時過ぎ、宮古市の震災がれきがJRの貨物列車で東京都品川区の東京貨物ター ミナル駅に到着した。がれきの入った6個のコンテナはトラックに積み替えられ、大田区と江東区の廃棄物処理業者の施設へ輸送。初日のこの日、持ち込まれた がれきは計31.7トン。木材や金属に混じって衣類やぬいぐるみも見られた。
本年、都は宮城県のがれきも受けいれています2013年度までに約 50万トンを処理。このうち12年度分は約20万トンと予想している。都一般廃棄物対策課の今井正美課長は「放射能測定の結果をホームページで公開するな ど一つ一つ丁寧に作業し、理解を得ながら進めていきたい」と決意を述べていた。
、都は震災発生後直ちに、警察や消防職員を被災地に派遣し、行方不 明者の捜索や原発への放水活動を行った。医師、看護師も派遣する一方、人工透析が必要な患者約400人を東北から緊急に都内に受け入れた。さらに、被災地 の自治体の行政事務をサポートするため、これまでに都の行政職員の7?8%に当たる約3000人を派遣し、積極的に支援活動を行ってきた。がれきの受け入
れも、そうした活動の一環として開始したものだ。――がれき受け入れに対して、都民の一部からは不安や反対の声も上がっているが。 都が受け入れを決めたのは岩手県と宮城県のがれきです。
東京都議会会議室
5月18日
環境省の課長さんからがれきの広域処理について話を聞きました。
東日本大震災で発生した岩手、宮城両県の災害廃棄物の量は2000万トン以上に上りますが、県内での処理が追いつかずほとんどが片づいていない状況です。
このため環境省では、放射性物質に汚染されていない宮城県と岩手県の災害廃棄物をほかの都道府県で処理してもらう「広域処理」を進めていますが、「廃棄物 が放射性物質に汚染されているのでは」という誤解から住民が反発するケースが多く、実際に受け入れているのは東京都など一部の自治体にとどまっています。
環境省では、このまま廃棄物の処理が進まなければ東北地方の復興に影響が出るとして新たにホームページを開設し、がれきの安全性や広域処理の必要性について理解を深めてもらい、がれきの受け入れ先を広げたい考えです。
参議院議員会館会議室【環境省の課長さん】