柿の裏年

 今年は柿の裏年のようです。我が家には、祇園坊柿・西条柿・富有柿の木が有ります。どの柿の木もほとんど実を付けていません。28日戸山の「ふれあい祭り」に行ったとき「祇園坊柿」を買ってきました。倉庫に入れておいて熟すのを待って「熟し柿」として食べます。とても美味しくこの時期の楽しみです。今年の裏年の植物はクヌギ・柿・カリン・ヤマモモ・ブナ・ミズナラだそうです。

 

 

          戸山「ふれあい祭り」で買った祇園坊柿

 

裏年とは
 元来果樹には表年と裏年を繰り返す性質をもっているものがあります。その果樹の生育に適した気候の年ならば、実はたくさんつき「表年」になります。ただ果樹自体が実を付け過ぎたことで体力を消耗してしまい、その翌年は実がほとんど付かなくなります。これが「裏年」です。
 特定の果樹には毎年毎年平均して実を成らすことは、自然の状態では不可能です。よってその性質を理解した人間が、花芽や実の量を調節して毎年結果するようにしています。ただ人為的にプロの農家の方が調整していても、最適な気候の場合には自然と花芽や実が出来すぎてしまうこともあります。
これが全国的に「表年」と「裏年」に偏ってしまう理由の一つだそうです。

 

祗 園 坊 柿
 祇園坊柿は渋柿の一種ですが、肉質が緻密で、加工することであっさりとした上品な甘さをもち、果実が大きく種が殆どないのが特徴です。祗園坊柿は、干し柿にすると最高の品質となり、生の感じを残すトロリとした感触と自然の甘みが口の中を充分楽しませてくれます。また渋抜きをした生柿『あおし柿(あわせ柿)』も祗園坊柿の形を残したままで甘みを充分満喫できる食べ物です。産地は太田川上流地域が適地といわれ、この地域以外は、現在でも全国的にあまり生産されておりません。 

祇園坊柿の名前の由来
 祇園坊柿の名前の由来は、広島の祇園にある安神社に植えてあった柿が坊さんの頭の形に似ていることから『祗園・坊・柿』と名づけられたといわれています。この安神社は一般に「お祇園さん」と親しまれていたそうです。

 

西条柿
 西条柿は中国地方特有の品種で全国的にみても非常に珍しい柿です。その特徴はなんといってもその味と形です。もともと西条柿は渋柿なので渋抜きをしなければなりません。渋抜きされた西条柿は、柿の中でもとびっきりの甘さで、その肉質はとても上品で緻密(ちみつ)です。かたすぎず、柔らかすぎず絶妙の食感が味わえます。形はずんぐりとしたロケット型で、縦に溝があるのも特徴です。

西条柿の由来
 西条柿の歴史は古く、16世紀半ば、毛利氏と尼子氏の覇権争いが行なわれていた頃、西条柿はすでに干し柿として加工され、武士の保存食料として珍重されていたそうです。
 本格的な栽培が始まったのは昭和初期からで、西条柿の名前の由来は、広島県東広島市の「西条町」とも愛媛県の「西条市」ともいわれていますが、定かではありません。ただ東広島市の「西条町」の名刹長福寺には西条柿にまつわる由縁が書き残されていると聞きます。

 

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