現在、NHK朝ドラマの「あまちゃん」は、高視聴率を稼いでいます。ビデオリサーチ調べによる初回視聴率は関東地区で20.1%、関西地区で14.6%を記録しました。関東地区においては前作『純と愛』の初回視聴率19.8%を上回り、2006年度下半期の『芋たこなんきん』(20.3%)以来の視聴率20%超えとなっています。。宮藤官九郎氏の脚本によるオリジナルストーリーで、宮藤氏がNHKで脚本を手がけるのは、連続テレビ小説以外も含め初めてです。この脚本が素晴らしいので人気を得てると言われています。
このドラマに出てくる「北三陸高等学校」のモデルとなった実在の高校が有ります。「岩手県立種市高等学校」です。潜水土木科のような科目は実在していて、岩手県立種市高等学校は、南部もぐりを教える唯一の学校です。潜水工業科、水中土木科と名前を変えつつその技術は継承され、現在は海洋開発科という名称になっています。
劇中の潜水土木科はかつての科目名(潜水工業科、水中土木科)を統合したものと考えてよさそうです。
南部もぐりの歴史
今から約100年前の明治31年(1898年)に種市(平内)沖で貨客船名護屋丸が座礁しました。
その解体引き揚げ工事のために房州(千葉)から4人の潜水夫がやってきました。この房州潜りの組頭である三村小太郎が住民のひとり磯崎定吉に ヘルメット式の潜水技術を伝授したのが始まりだといわれています。素潜りしか知らなかった彼らがもしこの時、 潜水夫の仕事に関心や興味や意欲を示さなかったら、 おそらく種市に「潜り」は生まれなかったと思われます。
種市高校が技術者を育成
厳格な指定制度で技術を引き継いでいた南部もぐりでしたが、潜水病や身分保証などの問題を解決するために 昭和27年8月に南部潜水協会を設立しました。
同年12月には潜水士を養成する当時としては唯一の 「岩手県立久慈高等学校定時制種市分校潜水科」が開設されました。
現在の種市高等学校の海洋開発科は学習と実習を通して土木と潜水の基礎知識を学ぶことが出来る全国唯一の学科です。
生徒たちは海洋開発に必要な各種観測機器の取り扱いや 測定法についての基本的な知識と技術を習得し、海洋工事全般に携わる高度な技術者を養成するための 資格や免許も取得できるようになっています。
卒業生は港湾土木や橋りょう建設、海底調査など国内外で活躍しています。
岩手県立種市高等学校 海洋開発科
■ 特 色
海洋開発科は,潜水と土木の基礎的知識と技術を学ぶことのできる 全国唯一の学科 です。各種の資格を取得し,海洋工事全般に関わる技術者として,国の内外で活躍できます。
取得可能な資格
潜水士 測量士補 2級土木施工管理技術
アーク溶接技能評価試験(JIS検定) 危険物取扱者(丙・乙)
送気操作業務・再圧室操作業務特別教育修了証
計算技術検定 パソコン利用技術検定 など