昨日(5月10日)平成25年度(第128回)「広島県都市監査委員会」が中区地域福祉センターで開催されました。私は15時からの講演会に出席しました。講師は福岡市教育委員会 生涯学習課長の「馬場伸一」氏でした。国・地方自治体の現状が良く把握できました。
馬場 伸一 氏
・米国ポートランド州立大学 (Portland State University)
ハットフィールド政治行政大学院 (Mark O. Hatfield School of Government)
行政経営学修士 (Master of Public Administration : MPA)
・1982年 東大法学部卒業、福岡市役所に奉職
・99 - 01年 米国ポートランド州立大学に留学、MPA取得
ポートランド市公選監査人のオフィスでインターンを経験
・03 - 06年 総務企画局国際部福岡アジア文化賞室長
・06年~ 監査事務局第2課長
・07 - 09年 総務省 「地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会」 委員
・09年~ 全国市町村国際文化研修所 (JIAM) にて監査委員緊急セミナー 「財政健全化法監査」 講師
・10年~ 市町村アカデミーにて 「監査の実務」 講師
講演内容
平成17年をピークに総人口が減少局面に入った我が国において、税収の伸びはもはや期待できず、どの自治体もほぼ例外なく厳しい予算削減・人員削減のただ中にあります。また、公務員に対する納税者の視線は厳しさを増し、公共部門におけるコンプライアンスや内部統制が今まで以上に求められるようになってまいりました。
こうした厳しい状況の中、自治体職員を業務上の様々なリスクから守り、業務プロセスをより効果的かつ効率的なものに変えていくためのツールとして、自治体監査の重要性がますます高まりつつあります。監査は、自治体組織の健康を守る主治医なのです。
この重い使命を果たしていくため、監査委員をはじめ監査事務局の職員が十分な知識を習得し、実効力のある監査を行っていくことが不可欠となっております。
最初に:大転換期にある現在 Era of Great Transition
・豊かで呑気な時代の終わり=昭和元禄の終焉
成功は失敗のもと~全国津々浦々に高度成長の果実を配分するシステム
政府が「楽勝」だった高度成長期=昭和元禄
・「昔の感覚」で仕事をしていたら、大変なことに ~お役所「大炎上」史 ~
・かつて広く見られたルールの空洞化 監査受難の時代
・規律と知恵が求められる「普通の時代」、監査は極めて重要
1:自治体監査の使命
(1) 「自治体監査」という、尊く、困難な仕事
① 監査委員制度の沿革
② 地方分権改革のインパクト
③ 「夕張ショック」 と地方財政健全化法
④ 自治体監査事務局に異動してきた職員の悩み
⑤ 監査担当者に求められる資質と人間性
(2) 自治体監査という仕事が難しい理由
① 専門性の問題
② 利益相反的要素
③ 現実とルールの乖離 (内部統制の仕組みの不備)
④ 監査の復活
(3) 今、監査の時代!
① 人口減少時代の行政運営 ~ 「昭和の常識」 は 「平成の非常識」
② リスク高まる役所の日常業務
③ 「隠蔽」 が不可能な時代
④ 「前例踏襲」 が危険となる時代
⑤ 「職員を守る」 監査
⑥ 「仕事を改善する」 監査 = VFM (Value for money) 監査
2:監査の種類と実務についての話