先日テレビでアルツハイマーについて放映していました。アルツハイマーを脳波を測定することで早期に診断できるようになったと言う物でした。早期発見して進行を遅らせることが可能になったという事だそうです。また、遺伝子治療で今まで治らないと言われていたアルツハイマー病を直すことが可能になるという研究発表もあったそうです。アルツハイマー病が血管注射で治る時代がすぐそこに来ています。アルツハイマー病は「夜明け前」と言われています。
アルツハイマー、脳波で早期診断 東工大VB、14年にも実用化
小サイズに変更中サイズに変更大サイズに変更保存印刷リプリント 東京工業大学発ベンチャーの脳機能研究所(横浜市)は、アルツハイマー病を脳波を使って早期診断する手法を開発した。多くの病院が持つ脳波測定装置を改良するだけで検査でき、費用も数千円程度に抑えられる。2014年を目標に実用化し、データ解析を請け負う形で事業化する。
現在、認知症の患者数は約300万人とされ、その半分がアルツハイマー病といわれる。アルツハイマー病は治らないが、早期に診断がつけば進行を遅らせることは可能。現在は医師による専用テストと脳の画像からアルツハイマー病かどうかを判断するが、早期診断は難しい。
新しい診断法では、認知機能の低下など症状が出る前の脳の神経細胞の働きが弱まった段階で脳波に現れる微妙な変化をとらえる。あらかじめアルツハイマー病の初期に特徴的な脳波のパターンを数人の患者から導き出した。検査で脳波を測り、このパターンと照合して判定する。
実際の検査では既存の脳波測定装置に21個の電極が付いた帽子型の装置を付け、約5分間、脳波を測定する。筑波大学などと共同で約400人の脳波データを調べたところ、数年後に実際にアルツハイマー病を発症した人の86%を検出できた。
病院で測った脳波のデータをインターネット経由で送り自動解析して返信するシステムを構築して、脳波測定装置を持つ病院であればどこでも活用できるようにした。
また、脳血管が詰まって起きるタイプの認知症も同じ手法で早期診断できるとみており、富山大学と共同研究を進めている。
(日本経済新聞 転載)
アルツハイマー、遺伝子治療で改善- ナショナルジオグラフィック
理化学研究所・脳科学総合研究センター神経蛋白制御研究チームの西道(さいどう)隆臣シニア・チームリーダーや長崎大学薬学部の岩田修永(のぶひさ)教授などの研究チームは、アルツハイマー病のモデルマウスに遺伝治療を行い、症状を改善させることに成功したと発表した。病因となる異常タンパク質を分解する酵素の遺伝子を血液中に注射する方法で行った結果、脳内に蓄積していた異常タンパク質の量を半減させ、低下していた学習・記憶能力も野生マウスのレベルまでに回復させることができたという。
研究チームは、アルツハイマー病の原因タンパク質「アミロイド・ベータ」を分解する酵素「ネプリライシン」の遺伝子を、「アデノ随伴ウイルス(AAV)」という、風邪などの原因となるアデノウイルスに寄生する病原性のないウイルスに組み込み、これを“運び屋(ベクター)”として脳に届かせ、神経細胞だけで働くようにした。
この「アデノ随伴ウイルス」ベクターを、アルツハイマー病モデルマウスの心臓に注射して血液中に投与し、5カ月後に観察した。空間学習・記憶能力を評価する「モーリス水迷路試験」では、遺伝子治療を受けたマウスは、野生マウスのレベルまで認知機能が回復していた。PET(陽電子放射断層撮影)による画像診断では、脳内のアミロイド・ベータの蓄積量が、遺伝子治療のマウスでは50%近く減少していた。さらに脳を摘出して測定したところ、遺伝子治療によって、海馬や大脳皮質のネプリライシン活性は対照群に比べて1.5倍に上昇し、アミロイドの蓄積レベルも35%減少していた。
今回開発のウイルス・ベクターは、中枢神経系疾患の遺伝子治療の概念を変える革新的な技術であり、若年発症型を含めたすべてのアルツハイマー病患者の根本的な予防や治療法になるとも考えられる。ウイルス・ベクターの生産技術の開発や安全性の問題などが解決されれば、臨床へ応用も期待されるという。
研究は文部科学省科学研究費補助金・新学術領域研究「シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成」と同省委託事業「分子イメージング研究戦略推進プログラム」の助成で行われた。
※(この記事は サイエンスポータル で配信された記事の転載です。)