6月11日、NHKクローズアップ現代で「『ぱみゅぱみゅ』『じぇじぇじぇ』~オノマトペ大増殖の謎~」)日本語大丈夫か!「オノマトペ」ガンガンずんずん増殖中…論理より情感コミュニケーションと言うテーマで放送がありました。
オノマトペ
日本語で言うところの擬音語、擬声語、擬態語をひっくるめた言葉(フランス語)で、日本には5000語以上のオノマトペがあると言われています。例えば、がっつり、ぷるぷる、ぽってり、ふわふわ、ぎゃあぎゃあ、おいおい、などです。
コンビニの売れ筋商品名は「もちっと」「もちもち」と言われ、マーケティングにも欠かせないと言われています。コンビニ業界には「魔法のオノマトペ」があるそうです。それが「もちっと」と「もちもち」で、これが商品名につくだけで売れると言われています。
スポーツ界でも指導者のスポーツオノマトペとして有名なのは長嶋茂雄元監督が有名です。長嶋元監督の指導は 「腰をガッと入れてパーンと叩けばスコーンと飛んでいくから」と言うような表現の指導が多かったそうです。
また、国民栄誉賞を貰った長嶋茂雄さんと松井秀喜さんは、来る日も来る日も一日も欠かさずに素振りをしたそうです。しかしその時の指導言語としては、「ビュン」とか「バーン」という方法が主で、バットが空気を切る音でその日の調子や軌道を判断したそうです。大リーグに行っても電話でこのやり取りをしたそうです。
そんなやり方は昔からあって、理論的じゃないと批判されてきたじゃないかと思われますが、オノマトペに詳しい小野正弘・明治大学教授はこのケースをこう解説しています。「(指導のための)論理が先にあって、その後でオノマトペによる指導にたどり着いているんですね。監督と選手との間に信頼関係があり、それによってオノマトペが高い効果を上げているのだと思います」
「感触、感覚、情景をいとも簡単に短く直感的に伝えられる」利点があり、あの国会でもオノマトペの使用が年々歳々どんどん増えているそうです。国会におけるオノマトペの使用回数が、20年前の1990年は14,853回だったのが、2011年は38,460回 と実に2.5倍に増えているそうです。
番組では、NHKや新聞などでも今後はオノマトペがどばっと増えていくのだろうか?従来、マスコミではオノマトペは安易で幼稚で曖昧な言葉と見なされており、一般的には原稿にオノマトペを使うなんてトンでもないと考えられています。
この点に関しては、国谷キャスターが「曖昧な言葉であるオノマトペばかりが広がっていくと、論理的にハッキリものを言うことが劣化する、あるいは、それが衰えている証拠ではないかとの見方もできませんか」と小野教授に尋ねました。
それに対し「それは鋭い指摘ですが、オノマトペが多すぎるとなれば、今度は論理的な言葉が増え、またその質も上がるかもしれません。情感の言葉であるオノマトペと論理の言葉が車の両輪のようになれば、表現力がどんどん高まっていくのではないでしょうか」と答えられました。
現在、若者の間でメールの絵文字や簡略言葉が多く見られます。オノマトペに近い表現法ですが、それしかしなくなったら日本語は危ないのではないかと思います。
オノマトペは、普通の言葉とは比べ物にならないほどの豊かな情報量を持っていることが明らかになってきています。脳の活動を調べると、オノマトペを処理している時の脳は、「副詞」や「動詞」等の単語を処理する時に比べ、脳の全体が活動していることがわかったのです。つまり、私たちは五感を総動員してオノマトペが持つ情報を処理しているというのです。」
結論的に言うと小野教授の言われるように「情感の言葉であるオノマトペと論理の言葉が車の両輪のようになれば、表現力がどんどん高まっていく」という事ではないかと思いました。