2020年オリンピック・パラリンピックの招致が東京に決まりました。マスコミは祝賀ムード蔓延の報道をしています。7年後の目標が出来、日本全体が好景気に向かう事はいいことだと思います。
しかし、今までも東京独り勝ちの日本でした。その事がさらに加速すると思います。地方都市広島市はどうなるのでしょうか。
現在でも東北の復興に向けての活動で、地方都市は建築資材が高騰し、不足しています。また、作業員も不足して建築費が高騰しています。その上、オリンピックの施設づくりでもっとひどい状態になるのではないかと心配をしています。
現在、広島市は「まちづくり」に於いて、住民の皆様がチームを作り「何を計画し、何をするのかするのかが大事です。そのお手伝いをするのが行政です。行政主導ではありません。」と住民に説明しています。ジョンFケネディも就任演説で言っています。「祖国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが祖国のために何をできるかを問おう。」この事がまちづくりの原点ではないでしょうか。
同じことが言えるのではないでしょうか。2020年に向けて広島市は、これを利用して何を計画し、何をするのでしょうか。オリンピック期間中に8・6も来ます。「オールジャパン」と言うからには地方都市も活性化する施策を地方都市から発信する必要があると感じています。
昨日の産経新聞 産経抄に興味のある記述がありました。
山本周五郎の最後の長編小説『ながい坂』に、少年時代の主人公が、師から諭される場面がある。「たとえば阿部の家で祝いの宴をしているとき、どこかでは泣いている者があり、親子心中をしようとしている家族があるかもしれない」。
▼2020年夏季五輪の東京開催が決まって以来、気分の上ではずっと祝いの宴が続いている。東日本大震災から2年半たったきのう、被災地の現状を伝える記事が、そんな小欄の目を覚まさせてくれた。
▼「東京は安全という発言は、福島が危険と大声で言っているようなものだ」。今も人通りがほとんどないという南相馬市小高区からは、怒りの声が上がる。福島第1原発の汚染水問題も、解決の決め手が見つかったわけではない。復興のための人手や資材が、東京五輪に取られてしまう不安も理解できる。
▼東京招致に至るまで、「オールジャパン」体制の活動が強調されてきた。では、復興も「オールジャパン」で進んでいるといえるのか。被災地の農産物を扱う首都圏のスーパーは、食品の放射能検査を徹底している。にもかかわらず、いまだに風評被害がなくならない。震災がれきの受け入れにも、東北以外の一部の住民からは当初激しい反発が起こったものだ。
▼周五郎は、「曲軒」のあだ名がつくほどヘソ曲がりだった。前回の東京五輪開催が決まったときも浮かれることなく、むしろ戦後復興に取り残された人々を気遣った。当時の随筆で、「オリンピックをやれば文明国のなかま入りができるという稚気や、便乗して金もうけをたくらんでいるような人たち」を批判している。
▼平成の日本人はどうだろう。7年後には、東京五輪の開催が復興のスピードを速めたと、胸を張っていえるだろうか。
(9月12日「産経抄」)引用