昨日(10月1日)安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者会見し、消費税率を法律どおり来年4月から8%に引き上げることを表明し、「大胆な経済対策を果断に実行し、景気回復のチャンスをさらに確実なものにすることで経済再生と財政健全化は両立しうる」と発表しました。また、「国の信認を維持し、持続可能な社会保障制度を次の世代に引き渡すため」として国民に理解を求めました。
その理由の一つとして日銀がまとめた9月の短観で、企業心理の大幅改善が確認された。今年4~6月期の実質国内総生産(GDP)も年率3・8%増に上方修正され、堅調な個人消費に加えて設備投資もプラスに転じた。来年4月の増税実施に向け、景気は着実に回復傾向にあるとの判断をしました。
日銀の短観について
「短観」("タンカン")
正式には「全国企業短期経済観測調査」と言い、わが国の景気動向を把握するために、全国約1万社の企業を対象に、3か月に1度実施される統計調査です。短観では、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査をしています。本調査は、日本銀行が金融政策を行うにあたっての重要な判断材料の一つとして利用されているほか、景気の現状や先行きをみていくうえでの代表的な統計の一つとして、国内外の多くの方々に利用されており、海外でも"TANKAN"の名称で広く知られています。
「短観」の調査対象
「短観」は、総務省の「事業所・企業統計調査」をもとに、資本金2千万円以上の民間企業(金融機関を除く)を「母集団企業」(現行約21万社)とし、その中から、業種別・規模別に設けた区分毎に統計精度等に関する一定の基準をもとに抽出した企業(現行約1万社)を調査対象企業とする標本調査です。