今日(10月5日)で、10月に入って5日経ちます。10月と言えば、衣替えの季節で、だんだんと秋が深まる月です。「スポーツの秋」「行楽の秋」「食欲の秋」「芸術の秋」「読書の秋」「睡眠の秋」と秋に関する言葉はたくさんあり、何をするにも快適な季節です。
また、秋刀魚の美味しい季節となります。8月に北海道で初水揚げがされましたが、水温が高く不漁だと報じられました。水温が13度ぐらいにならないと秋刀魚が回遊してこないそうです。
10月に入り東北地方に秋刀魚が回遊してきて豊漁になったそうです。先日も食べましたが脂がのってとても美味しかったです。
9月8日「目黒のさんま祭」が行われました。大勢の人が目黒に集まり美味しそうに秋刀魚を食べている映像が流れました。この祭りは平成8年から始まったそうです。
このイベントのきっかけはもちろん「さんまは目黒にかぎる!」のオチでおなじみの古典落語『目黒のさんま』です。
「目黒の良さ」と「さんまの良さ」の両方をわかってもらうために、さんまを炭火焼きと生で無料配布して、例年20000人以上のお客さんに楽しんでいただいています。この辺りは、江戸時代に松平讃岐守・森伊豆守などの上屋敷があり『目黒のさんま』に登場する お殿様(松平出羽守)の早駆けの場所とされています。つまり、訪れたお客さんたちはお殿様と同じ秋空の下でさんまを食べたことになるのです。
会場の中心となる誕生八幡神社も文明年間(1469年~1487年)に太田道灌が夫人の懐妊にあたり、越前国(福岡県)の宇美八幡をこの地に勧請したものと言われています。無事に男子が生まれたことから「誕生八幡」と呼ばれ、安産の守り神とされている。まさに落語に出てきそうな神社なのです。日本に数ある八幡神社のなかでも「誕生」がつくのはここだけ。また、境内には明治42年に合祀された徳川三代将軍・徳川家光ゆかりの「重箱稲荷神社」が祀られていて、重箱を使うお弁当屋さんが商売繁盛の祈願に訪れることでも有名です。
落語『目黒のさんま』
《あらすじ》
ある大名(松平出羽守)が馬の早駆けに目黒へ行った時のこと、
空腹となり百姓家で焼きたてのサンマをわけてもらった。屋敷に戻ったが脂が乗ったサンマの味が忘れられない。
しかし、屋敷の御膳にサンマが出る訳もなし。そこで親戚へ食事のお呼ばれをしたので、ここぞとばかりにサンマを注文。
しかし、親戚の家来たちが体を気遣いサンマを脂を蒸して抜いてしまった。ひと口食べたがおいしくも何ともない。
「このサンマはいずれより取り寄せた?」
「日本橋魚河岸にてございます」
「それはいかん。サンマは目黒に限る!」
《成 立》
徳川家光が将軍在位の頃(1623年~1651年)のおとし噺。
大名の世間知らずを笑った庶民の落語である。
(目黒駅前商店街振興組合青年部HP引用)