今年2014年(平成26年)の干支は「午年」(うまどし)です。干支は十二種類の動物、「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」であらわされます。
「午(うま)」はこの十二支の中で、7番目にあたります。
この「うまどし」ですが、「馬年」ではなくて「午年」と書いてうまどしと読みます。この「午」の字、「うま」と読む以外にも、「正午」「午前」「午後」などの時間を表すときに午の字を使います。それでは、なぜ、時間を表すのに「午」の字を使うのでしょうか?
その理由は、江戸時代までの時刻や方角を表す方法に、「干支」が関係あるためです。
現在では1日は24時間で生活していますが、江戸時代までは1日を12の刻に分けていました。その刻をあらわすのに二つの方法があったのですが、その一つが時刻を「干支」で数える方法でした。
有名なものとしては、「草木も眠る丑三つ時(うしみつどき)」「丑の刻参り(うしのこくまいり)」などは、みなさんもお聞きになったことがあるのではないでしょうか?この「丑」は午前二時頃をあらわしています。
このように、昔は時間を数えるのに、年賀状に使われる干支と同じ「子・丑・寅…」などを使っていたのです。
(なお、もう一つの数え方では「明け六つ」「暮れ六つ」などと数えます)
干支で時刻を数える場合の数え方は、午前0時前後の2時間を「子の刻」とし、それ以降、2時間刻みで丑、寅…と順番に続いていきます。
そうして数えていくと、ちょうどお昼の12時が「午の刻」になります。
12時を「正午」と言うのは、このように12時がちょうど「午」であることに由来します。また、お昼の12時を境に「午前」「午後」と言うのも、「午の刻」より前か後かということです。
時刻だけでなく、方角も同様に十二支であらわされていました。方角では、北が「子」、東が「卯」、南が「午」、西が「酉」です。(西と酉は文字も似ていますね)
北極と南極を結ぶ線を「子午線」と言いますが、この単語も北(子)と南(午)に由来しています。