魔物

 オリンピックには魔物が棲(す)んでいると言われています。スキージャンプ女子で高梨沙羅選手が4位に終わりました。今季W杯で13戦10勝。無敵の強さで、日本選手では金メダルに一番近いと思われていました。

 

 昨日のテレビでハードラーの為末さんが、「オリンピックの魔物の正体は、(国民の)期待だと思う。」「期待がだんだん大きくなると、期待にこたえられなかったらどうしようと、責任感になり、プレッシャーになっていく。」「絶対に勝ちます、勝ちますと自分を追い込んでいってしまう。」と魔物の正体は「期待」だと言ってました。期待が魔物に変身して選手にのしかかってくるのだと言っていました。

 

 1984年のサラエボ五輪では、スピードスケート男子500メートルで優勝候補だった黒岩彰選手が10位と惨敗しました。不利なアウトコースのスタートで、大雪のため競技が5時間も遅れる不運もありました。代わって無名の北沢欣浩選手が銀メダルを獲得しました。黒岩選手はプレッシャーをこう表現しました。「五輪には魔物がいるという。でも魔物をつくっているのは自分なのだ。つくらなくてもいい魔物を心の中につくってしまう」。その魔物を退治して次のカルガリー五輪で見事に銅メダルに輝きました。

 

 4年に1回のオリンピックですからプレッシャーはより大きくなると思いますが、それぞれの生活の中にもいろんな場面で魔物が住んでいます。オリンピックほどの魔物ではないと思いますが、色んな場面で魔物に会うと思います。スポーツの試合・仕事のプレゼンテーション・人生の勝負時・etc 我々の人生の中では「あがり」と言うのではないでしょうか。

 

 それを克服するために、万全の準備をする(練習)・相手を飲んでかかる(手の平に人を書いて飲む)・観客をジャガイモ等の野菜とみる等色々な方法が有ります。

 

 個人差が大きいのがこの「あがり」と言う現象です。平素から自分を分析し、馴れる、また、追い込む訓練をする等の準備をすると少なくなります。

 

 「魔物」にしろ「あがり」にしろ個人差が大きな心理的な現象です。その現象が身体現象まで狂わせてきます。平素からいろんな形で自分を追い込み訓練をしておくことが大事だと思います。

 

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