昨日(2月17日)午前10時、今年の五穀豊穣を祈願する「祈穀祭」が盛大に奉仕され、併せて天皇陛下御病気平癒祈願の祝詞が奏上になりました。
出雲大社の祭事は「大祭式・中祭式・小祭式」に分類されますが、この祈穀祭は一番の重儀である「大祭式」に当ります。
神職たちは前夜より潔斎を行なって祭事を奉仕し、御扉の開かれた御仮殿奥、大國主大神様のお鎮まりになられる御神座の大前には多くの神饌(お供え物)が供されて、國造により秋の豊かな実りを祈願する祝詞が厳かに奏上されました。
春のこの祭事を一般に「祈年祭(としごいのまつり)」と称しているのは、「年」が本来は穀物の実り、またはそれが実るまでの期間を意味していたからです。
古くは日本のことを「瑞穂国(水穂国:みずほのくに)」と称し、みずみずしき稲穂が実る国と称えました。穀物は日本民族の生活に欠かすことのできない大切なもの、生命の根源であり、穀物そのものを“神”として神聖視してきました。
大國主大神様は日本の国土を国づくりなさる中で、農耕の業をお示しになり、農耕神としての御神徳を顕されました。祈穀祭では遠近より大勢の農家の方々が参列され、五穀豊穣が祈られます。そして秋の実りの季節には神々の御恵のこもった新穀が御本殿へとお供えされ、恵への感謝の祭事である「献穀祭(けんこくさい)」が盛大にお仕えされるのです。
大祭礼(5月)、献穀祭(11月)と並ぶ出雲大社三大祭の1つで、昨年5月に本殿遷座祭を迎えたことから、6年ぶりに本殿で執り行われました。本殿の御扉(みと)が開けられ、神職たちが米や酒、タイ、野菜などを神前に供えた。千家尊祐宮司が祝詞を読み上げ、参列者らが五穀豊穣(ほうじょう)を祈願しました。
出雲地方では、この祭りが終わると春の農作業準備が始まります。
春、近しです。
(出雲大社 HP)引用