夏大根を収穫する時期が来ています。抜きたての大根を「大根おろし」にして「チリメンジャコ」と混ぜて酢醤油で食べています。この時期はこれさえあればご飯がいくらでも食べれます。大根おろしをするとき気を付けていることは、葉っぱの付いている方から下し金に直角に円を描くように丁寧に下します。そうすると辛くなりません。要は大根の細胞を出来るだけ壊さないように下すのがコツだそうです。
大根について中学校1年生の教科書に「ダイコンは大きな根」と言う題で載っているそうです。
教科書の文章を要約すれば、
1、大「根」と呼ぶが、「根」が大きくなったものではない。
2、大根の上部と下部では役割が異なり、その相違を活かした使い方が出来る。
少し補足を入れると、 大根の地中部分は、根っこである主根と茎の一部である杯軸からできている。
主根に相当する部分は、地中の虫などによる食害を避けるため細胞中に辛みの強い成分を持っている。また、杯軸に相当する部分は根と葉を繋ぐために水分量が多い。従って調理の上ではこれらの特性を活かした使い分けができる。
この時期、生で食べる大根と言ったら「大根おろし」です。それについて調べてみました。大根「おろし」の「おろす」という言葉に意味があるようです。
「下ろす」と言う言葉は国語辞典によれば
・高いところから低いところ
・金を下ろす、新しい洋服を下ろす
・原型に手を加えて、小さなものにわける
・3枚に下ろす、大根おろし
下ろすというのは、小さなものにわける意味のようです
しかし、大根おろしというのは、大根をすっているような行為です
「擦る」
・傷つけたり、つぶしたりする目的
籾をする。ごまをする。ミソをする。ヤスリで擦る
つまり、擦るという行為は、つぶすという意味がつよい。
昔の人が、「大根」をするのではなく、おろすと言ったことは、ふかい意味がありました。
つまり大根の細胞をつぶさないで、こまかくわけると言うことが、「大根おろし」の真髄という事のようです。
大根の細胞をつぶすと辛くなります。大根を細かく切る刺身のつまが、辛く感じないのは、細胞をつぶしていないからです。
大根の中には、グリコシノレート(配糖体)という成分があります。細胞がつぶされると、酵素 ミロシナーゼが働きはじめる。そのミロシナーゼは、グリコシノレートに働きかけ、イソチオシアネート(カラシ油とも言われる)を切り離す。このイソチオシネートが、辛さの原因物質です。
「大根の辛味成分イソチオシアネートの量は、大根を5等分して比較すると、一番上が100グラム中29ミリグラムであったのに対し、一番下は315ミリグラム程度含まれていました。一本の大根でも上と下では辛さに10倍以上の差があることが判ります。」
やはり、大根のしっぽの方が、からみ成分が多い。それは、からみ成分は、根の生長点で、つくられるようです。細胞が若いほど、からみ成分が多いと言われています。
「大根の毛穴の並びが、ななめになっているものほど、辛い大根で、まっすぐなものほど辛くはない・・・」といわれています。
これは、大根が、土の中に潜り込んでいく時に、ドリルのように回転していくことによっておこるが、土が軟らかく抵抗がない場合は、そのままのびていき、毛穴がまっすぐになる。
結局辛さは、土の抵抗を受けながら、生長していく大根が辛いといえます。
辛み成分イソチオシアネートは、ワサビにもあり、ワサビは、アブラナ科の多年草で、学名をWasabia japonica といいます。日本が原産地です。