これまで太陽系の惑星と言ったら「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」と言っていましたが、冥王星は2006年に国際天文学連合が惑星の定義を見直すまで、太陽系の9番目の「惑星」とされてきました。大きさは地球の月の3分の2ほどしかなく、今は「準惑星」と分類されていますが、周りを回る月が5つ見つかっているなど、さまざまな特徴があることで知られています。
その冥王星に無人探査機「ニューホラインズ」が近づいています。
米航空宇宙局(NASA)は14日、無人探査機「ニューホライズンズ」が打ち上げから9年半の旅を経て、日本時間の同日午後8時49分ごろ、冥王星上空に到達したと発表しました。探査機が冥王星へ接近するのは史上初です。接近観測にも挑み、冥王星を通過後はさらに遠くにある太陽系の小天体観測へ向かいます。
探査機は、2006年1月に打ち上げられ、冥王星上空から地表や大気の組成などを観測する計画で、最接近時の観測が成功し、詳しいデータが今朝のテレビで放映していました。観測データ全てが地球に届くまで16カ月かかるということです。
国立天文台の渡部潤一副台長は「惑星は小さな天体が合体してできたと考えられており、惑星を鶏に例えるならば、小惑星が卵で、冥王星などの準惑星はヒヨコ。鶏と卵は調べられてきたが、ヒヨコ段階は分かっていなかった。冥王星を調べれば惑星の成長途中を知ることができる。我々の予想がつかない結果が出てくるのではないか」と話す。
(NHKニュースWEB引用)
冥王星
直径はおよそ2400キロと地球の月の3分の2ほどの大きさで、太陽の周りをだ円形の軌道でおよそ248年かけて1周し、その太陽との距離は平均で59億キロ、最も近づいたときでも44億キロの距離があります。
発見された当初は、太陽系の惑星の中で最も遠いところにあると考えられ、アメリカの天文学者が発見した惑星だったことから特にアメリカの愛好家の間で人気があります。
冥王星という名前は、ギリシャ神話に登場する冥界の王を意味する「プルート」にちなんでつけられ、ディズニーの人気キャラクターも同じ「プルート」と名付けられるほど注目を集めました。
しかし1990年代以降、冥王星よりもさらに遠い領域に冥王星と似た特徴を持つ天体が相次いで見つかったことから、これらも惑星と呼ぶべきか、国際的に議論されるようになります。
そして2006年、国際天文学連合は惑星の定義を見直すことを発表し、これにともなって冥王星は、惑星ではなく「準惑星」と分類されるようになりました。