ホテルに荷物を預け社会福祉施設「Hufelandhaus facility」を視察しドイツの介護保険制度についてヒアリングしました。
ドイツの社会保障制度と介護保険
ドイツの社会保険料は日本と比べて高いと言われています。内訳は、健康保険(KV-Beitrag)、老齢年金(RV-Beitrag)、失業保険(AV-Beitrag)、介護保険(PV-Beitrag)。これらの総額は、すべてが公的保険であったとしても、実に給与額の2割以上となります。
介護保険は、日本より5年早く1995年に導入されました。要介護者の介護期間の長期化に伴う自治体の財政負担の軽減、そして要介護者を公的扶助対象から保険給付対象へと移行させることが狙いでした。そのため、介護保険は税収を利用せず、加入者によって支払われる保険料のみを財源として運営されています。
MDK(Medizinischer Dienst der Kassen)
要介護認定は、医師や介護士といった専門家が参加する団体「メディカルサービス(MDK)」の審査を経て、保険者の「介護金庫」が決定する。要介護度は1から3までの3段階。ただし、最も重い要介護3のうち、特に状態が重いと認められる利用者について、支給限度額がかさ上げされる仕組みがあります。
介護保険の受給者になり得るのは、医療保険制度に加入している人で、MDKにより審査され、要介護者と判定された0歳以上のすべての加入者です。認定されると、介護度などに応じて総額の半分の必要経費が現物や現金などで補助されます。ちなみに、補助されない半額分は本人か家族の負担となるので、その金額を補うためにプライベート介護保険のオプションに加入する人もいます。また、自己負担分を支払えない場合は、公的補助によりその分をカバーすることができる仕組みが有ります。
メディカルサービス(MDK)が予告なしで施設へ立ち入る事が認められ、ドイツ連邦共和国の州ホーム監査局が実施する調査にメディカルサービス(MDK)が参加する事も可能になりました。
さらに、介護金庫、MDK、ドイツ連邦州ホーム監査局が協力して介護サービスの質を確保しようとしています。
2008年より「介護保険改革」行い「認知症」へのケアーも始まり介護休業制度の導入も併記されました。要介護者を抱える家族が認知症高齢者と、より潤沢な時間を過ごすことが可能となりました。
午後から「パッシブハウス」を視察しました。
建物の性能を上げる事により、高性能の熱交換器による空調設備だけで、アクティブな冷暖房器具が不要であるという意味合いから『パッシブ(passive:受身の)』の名が付けられました。
西洋人にとって通常の暖房器具とされる“セントラルヒーティング”が不要である事から、“暖房器具の無い住宅”と呼ばれることもあるが、冷暖房器具が不要である訳では無い。つまり無暖房(無冷房)住宅の事ではない。
Hufelandhaus facility
市の施設をパッシブハウスに建て替えています