昨日(1月22日)の夕方の「報道ステーション」で冬季雷について解説していました。
21日函館市では大粒の雹が打ち付け、雷が連続で発生したという。北海道から九州までの日本海側を中心に、広い範囲で雷注意報が発表されている。雷は夏に多いイメージがあるが、日本では冬にも多く発生しているという。冬の雷は冬季雷と呼ばれ、世界的にも珍しい気象現象だという。大陸から吹き出してきた寒気が日本海の暖流を渡る時に発生する積乱雲によるもので、太平洋側と日本海側で年間の雷日数を比較すると、宇都宮と金沢では倍近くの差がある。さらに、宇都宮では夏に多く、金沢では逆に冬に多くなっている。 また、夏の雷は午後から夕方にかけて発生するのに対して、冬は昼夜問わず発生するという。さらに冬はエネルギーの大きな雷が多く、夏の数百倍にも達することがあるとのこと。去年12月新潟県・長岡市で起きた火災現場の様子は、落雷が原因の可能性が高いとみられており、冬場の雷にも注意が必要だと伝えた。
雷とは、通常以下のような過程で発生します。
1. 地上の熱射による上昇気流で積乱雲が発生。
2. 雨や氷の粒が激しくぶつかりあい、電気がたまっていく。
3. やがて雲の中で放電したり、地上に落雷したりし始める。
物が擦れ合ったりすると静電気が発生しますが、雷はまさに雲が起こした静電気の塊です。積乱雲など、大きく成長する水蒸気が雲となる時に静電気が発生し雲に蓄積されます。それが大きくなり条件がそろえば、その蓄えられた電気は地上に向けて放出されます。雲と雲との間の雷もありますが、地上から雲に向かっての雷もあります。山間部での雷は尾根づたいに、水平に走る雷もあるようです。
冬季雷の発生のしくみ
冬になると大陸からの冷たい季節風(シベリア気団)によって海上に雲が発生します。その雲が気流に乗って日本海を横断してくる時に、冷たい季節風と本州沿岸を流れる暖流(対馬海流)との温度差によって発生した豊富な水蒸気を含むことで、100m~数百mの低空に雷雲を形成します。
その後、雷雲は前線や上昇気流によって日本海沿岸から山間部にかけて広範囲に広がり、雪を降らすと共に落雷が発生します。特に、雷雲が低空で形成されるため、山間部や平野部でも高い構造物がある所は集中的に落雷します。
夏の雷は、ほとんどが下向きに雷の放電が開始しますが、冬季雷では多くの場合、上向きに放電が開始します。建物の先端など、高い構造物から空に向かって放電を始めます。
なぜ上向き雷が怖いかというと、地上の1点から空に向けて放電するわけですから、地上にある放電点には放電電流の全てが流れることになります。冬季雷のエネルギーは非常に大きく、夏の雷のエネルギーに比べ100倍以上に達することもあります。
(インターネット記事引用)