猛暑とセミ

 夏の風物詩といえばセミ。ミーン、ミーンという鳴き声で真夏を実感します。
 朝方に聞こえていた鳴き声も、気温が上がる昼間にはほとんど聞こえなくなっています。暑ければ暑いほど、活発に活動しそうなイメージがあるだけに意外に感じてしまいます。

 日本のセミは、クマゼミとミンミンゼミは午前中、アブラゼミとツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは早朝から夕暮れまで、と種類によって鳴く時間が大別されるそうです。

クマゼミ
 温暖な環境を好み、西日本側の平地や低山地である都市部の公園や街路樹に多く分布しています。
 分布域は南西諸島、九州、四国、中国、近畿と北陸、東海で、関東南部にも分布しています。
 そのため、クマゼミの北限は北陸の新潟や関東南部当たりであると言われていました。
 しかし、今年は東北地方でも鳴き声が確認されています。近年地球温暖化などの影響で地球規模で気温が上昇してきており、クマゼミの分布が上昇してきていると言われています。
 クマゼミの鳴き声は「シャシャシャ…」と鳴きます。

 日本各地にいるクマゼミなどは気温が高い場所を好む傾向があり、30度を超えたあたりが最も活発になります。
 気温が高すぎても良くないようです。奈良県橿原市にある「昆虫館友の会」の宮武会長は「クマゼミは35度前後になるとあまり鳴かなくなる。雨の日など気温の低い時もあまり鳴かない」と話しています。

 35度を超える猛暑の日が続いてしまうと、セミも極端に活動が鈍ってしまうようです。前出の宮武会長は「35度を超える日が続くと、セミも暑さに耐えきれず危険な状態になる」とし、「人間でいう熱中症のようなもの」と述べています。セミの鳴き声が聞こえなくなった時、それは「危険な暑さ」になったという合図と言っていいかもしれません。

 

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