運動の健康効果に関連して、若い頃に運動で体を鍛えた経歴のある中高年の(健康)寿命について、興味ある研究結果が報告されました。
日本の大規模な集団のデータを分析した結果、運動時間が週5時間以上の人のほうが、運動時間が週に1~2時間の人に比べて循環器疾患による死亡リスクが低く、さらにその死亡リスクは、
「運動部での活動歴ある男性+週5時間以上の運動<運動部での活動歴ない男性+週5時間以上の運動」とのことです。
つまり、成人前に運動部で活動歴のある中高年の男性の方が、そうでない人に比べて、同じ週5時間以上運動する場合、冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)による死亡リスクがより低いことが明らかになりました。
この結果は、若い頃に体を鍛え、成人後も積極的に運動をしている男性は、循環器疾患による死亡リスクがより低くなる可能性があることを示唆しています。
女性の場合は、該当する患者が少なかったため、精度の高い推定は行えていないようですが、おそらく同様の結果が期待できるのではないでしょうか。
週5時間の運動とは、どの程度でしょうか。
週5時間歩く場合の消費カロリーをベースに計算してみましょう。
(10分のウォーキングは、約1000歩、約700メートル、消費カロリー30キロカロリーに相当するとして計算すると、約3万歩、約21キロ、900キロカロリーになります)
(1)毎日3キロのウォーキングをする
これは、毎日約43分(約4300歩/日)歩くことに相当します。
(2)毎日3キロのジョギングをする
これは1キロを5分のペースだと、15分程度のジョギングに相当します。消費カロ
リーは、時間に関係なくほとんど移動距離で決まります。
(3)ゴルフ
移動でカートを使う場合は週3日のラウンド(1万歩/ラウンド)、カートは使うが歩
く場合は週1.5ラウンド(2万歩/ラウンド)に相当します。
打ちっ放しの場合は、1キロカロリー/打として~130球/日に相当します。
いずれのケースも、約900キロカロリー/週の消費カロリーになります。
ゴルフは認知症予防にも効果があるという研究報告もあります。
ゴルフは適度に歩き、適度に考え、パートナーと会話し、シニアになっても楽しめるという点で、生涯取り組むに値するスポーツと言えそうです。
ただしゴルフに限らず、スポーツをすると使った筋肉細胞の一部が壊れ、修復・再生にある程度の時間がかかりますので、運動した後は適度な栄養と休息を取るようにしなければいけません。
壊れた細胞の修復・再生に必要な時間を超えて運動を繰り返すと、体を壊す結果になりますので、常に体と相談しながらゴルフに励みましょう!