昨日(5月19日)TSSの「満点ママ」で、「フレイル」について放映していました。
フレイル
海外の老年医学の分野で使用されている英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを2014年5月に提唱しました。
フレイルの基準
さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
1、体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2、疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
3、歩行速度の低下
4、握力の低下
5、身体活動量の低下
フレイルの状態
死亡率の上昇や身体能力の低下が起きます。また、何らかの病気にかかりやすくなったり、入院するなど、ストレスに弱い状態になっています。例えば健常な人が風邪をひいても、体の怠さや発熱を自覚するものの数日すれば治ります。
しかし、フレイルの状態になっていると風邪をこじらせて肺炎を発症したり、怠さのために転倒して打撲や骨折をする可能性があります。また、入院すると環境の変化に対応できずに、一時的に自分がどこにいるのかわからなくなったり、自分の感情をコントロールできなくなることもあります。転倒による打撲や骨折、病気による入院をきっかけにフレイルから寝たきりになってしまうことがあります。
「指輪っかテスト」も簡単にできるチェック法です。両手の親指と人差し指で輪を作って、ふくらはぎの一番太い(厚い)ところを囲みます。囲めない場合はサルコペニアの可能性は低いですが、ふくらはぎと輪の間にすき間ができる場合はサルコペニアの可能性があります。(「サルコペニア」とは、「加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下」)