本日(7月1日)より、環境省によりレジ袋の有料化が義務化されます。
レジ袋の有料義務化の背景には、プラスチックごみに対する世界的な取り組み、そして日本が環境問題を重視している姿勢を国内外に示す狙いがあります。
日本は「使い捨てプラスチックの1人当たり使用量」が世界第2位です。国内でのプラスチックごみの排出量は年約900万トンで、そのうち約400万トンはレジ袋やペットボトル、包装容器などの使い捨てプラスチックと言われています。さらに、それらの約8割は家庭などから出る一般廃棄物が占めています。
レジ袋を有料化し、プラスチック製レジ袋の使用を削減するメリットには、以下の5点が挙げられます。
●海洋汚染を防ぐことができる
関西広域連合の調査によると、大阪湾全体でレジ袋およそ300万枚、ビニール片約610万枚が沈んでいると報告されました。これにより水質の悪化のみならず、エサと間違えてレジ袋を飲み込むなどの海洋生物や鳥などへの影響も懸念されます。 レジ袋の有料化によってその流出量を減らすことができれば、海洋汚染防止への効果も期待できます。
●地球温暖化の抑制が期待できる
レジ袋をはじめとするプラスチックゴミの多くが、焼却処分されています。 レジ袋の有料化によってその流出量が減れば、焼却の際に発生する二酸化炭素(CO2)が削減され、地球温暖化抑制も期待できます。
●石油の消費を抑えることが期待できる
限りある資源である石油は、プラスチックの原材料です。レジ袋の有料化による流出量の減少は、石油の消費抑制につながると期待されます。
●ごみ処理のコスト削減が期待できる
日本では、年間およそ900万トンのプラスチックごみが出ており、その40%以上がレジ袋をはじめとする「使い捨てプラスチック」です。環境省の素案では「2030年までに使い捨てプラスチックの排出量を25%減らす」としていますが、 これが実現すれば莫大な量のゴミ削減となり、運搬から焼却までのさまざまなコストの削減につながると期待されます。
●使い捨てをする文化の変化につながる
今回のレジ袋有料化をきっかけとして、多くの国民が環境問題やゴミ問題に関心を向けることは、持続可能な社会を作る上でも大きなプラスになると考えられます。