2018年7月の「西日本豪雨」でも「線状降水帯」が発生し、大きな豪雨被害が起きました。今回の熊本豪雨でもこの現象が起こっています。
線状降水帯
「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50〜300 km程度、幅20〜50 km程度の強い降水をともなう雨域」
(気象庁が天気予報等で用いる予報用語)
バックビルディング現象
停滞性の線状降水帯の発生要因のひとつにバックビルディング現象があります。次のような流れで線状降水帯を作り出します。
最初に風の収束や地形効果などによって積乱雲が発生します。激しい雨を降らせながら上空の風に流されてゆっくりと移動して行きます。風上側のこの積乱雲が発生した場所で新たに積乱雲が発生し、またゆっくりと風下へ移動して行きます。この流れが繰り返され、発達した積乱雲が世代交代を繰り返しながら組織化されて線状降水帯を作り出します。積乱雲させる、水蒸気の供給や上昇気流を引き起こす要因の解消、積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化がない限りこの状況が続きます。