精霊馬

お盆に精霊馬を飾る意味
 精霊馬(しょうりょううま)は、キュウリとナスに割り箸や爪楊枝を刺して、精霊棚または盆棚に飾るもののこと。
 これはキュウリを馬、ナスを牛に見立て、お盆の時期にご先祖様の霊が戻ってくるときに、あの世と行き来する乗り物として作られています。

 

 ご先祖様の霊が家に戻ってくるときは、できるだけ早く家に帰ってきてもらいたいため、キュウリで作った足の速い馬を使い、あの世に帰るときは少しでもこの世にいてほしいと、ナスで作った足の遅い牛を使う意味があるとされます。
 また、家に戻ってくるときは、ご先祖様にゆっくりと景色を楽しんで欲しいのでナスの牛、あの世に帰るときは、疲れているのでなるべく早く帰してあげたいという思いからキュウリの馬、という逆の説が用いられることもあるそうです。

 

 我が家(安芸門徒)ではこの風習はありませんでした。

 

「ご先祖様には馬よりも快適な乗り物で帰ってきてほしい」
そんな思いを込めて、お盆の時期、家の軒先にブリキの「ミニカー」をつるす地域があります。

 米どころ庄内平野にある山形県遊佐町・山形県酒田市観音寺です。この地域ではもともと、イネ科の植物「マコモ」を編み上げて作った精霊馬でご先祖様をお迎えしていたそうです。

 

 昭和42年ごろからブルーのトヨペット・クラウン(2代目)を軒先につるしているという遊佐町豊岡の佐々木正紀さん(69)に尋ねました。「はっきりとした起源はわからない」と前置きしながらも、背景の1つにあげたのはマコモの精霊馬の作り手が減っていたこと。さらに、昭和40年代はこの地域の農家の間にもマイカーが普及し始めた頃で、車を持つことへの憧れの気持ちも相まって、ミニカーを飾るようになったのではないかと話していました。

 

 また、同じ町内の三村弥四郎さん(72)が軒先につるしているのは昔、父親が買ってきたという日産スカイラインのブリキのミニカー。

 お盆の時期に遊びに来る子や孫たちが、「ミニカーを見たら遊びたがりませんか?」と尋ねると、三村さんは「とんでもない!」と即答。

 「子どもたちが遊ぶおもちゃとは全く別のものです。ご先祖様が乗って帰ってくるミニカーはお盆の時期以外は衣装ケースにしまって大切に保管しています」

 三村さんによると、亡くなった家族や親族が増えてくると、乗用車には乗り切れないということで、最近ではバスや飛行機をつるす家もあるということです。
                          (NHK情報ブログ引用)

 

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