今年も秋の味覚「サンマ漁」が解禁となりました。しかし、不漁で庶民の魚「サンマ」が庶民の口に入らなくなりそうです。
8月10日、北海道で小型船によるサンマ棒受網漁が今年も解禁されました。棒受網漁は日本におけるサンマ漁の中心となる漁法で、ライトでサンマを網の上に誘導して漁獲するというものです。
出船基地はサンマ棒受け漁水揚げ日本一の根室・花咲港を中心に、道東の漁港が多くなっています。この時期の漁場は北太平洋・ロシアの水域が多いのですが、秋の深まりとともに日本近海に近づいてくるといいます。
小型船に引き続いて中型・大型船の漁も順次スタートし、秋の風物詩であるサンマ漁が本格化しています。
今月15日に出漁した中型船のうち4隻が23日午後、厚岸町の厚岸港に戻り、このうち1隻が公海で取れたサンマを初水揚げしました。
サンマを漁獲できたのは出漁した12隻のうち4隻だけで、取れた量も合わせて600キロほどと、去年の北海道東部での初水揚げと比べて僅か1%ほどにとどまりました。
漁協によりますと、大きさは平均で体長が25センチほど、重さは110グラム余りと去年よりも小ぶりなものが目立つということです。
漁労長の39歳の男性は「サンマの群れがいなくて想像以上の厳しさだった。非常に残念だがこれからに期待したい」と話していました。
漁の主力の棒受け網漁で水揚げされたサンマの初競りが24日、厚岸町の厚岸漁協地方卸売市場でありました。最高値は1キロ1万1880円で、不漁だった昨年の約5倍でした。
漁協の直売店「エーウロコ」では早速、初物が店頭に並びました。地元の主婦は「とても高くて買えない」と嘆いたが、道内旅行で東京から訪れた福島浩さん(58)は1匹1296円の一番大きなサンマ2匹を買い求め、「高いと報道されていたので覚悟していました。刺し身で食べます」と店員に調理を頼んでいました。